事故の規模と示談金の決まり方
事故の規模が小さい場合について
事故の規模が比較的小さい場合には、当事者間で示談金の額を設定することになります。もちろん、規模が小さいからといって加害者の責任までも少なくなるというわけではありません。規模の大小に関わらず、加害者には一定の責任が生じます。仮に、被害者が掠り傷を負った程度の交通事故の場合は示談金も少額になるでしょう。おおよその目安としては、被害者の擦り傷を治すための治療費用が基準となります。その治療費用に加えて、示談金が加算されることになります。交通事故のかすり傷程度であれば、それほどの精神的苦痛はありません。しかし、加害者の責任の取り方として、治療費を支払うだけではすまされません。交通事故を起こしてしまった加害者としての謝罪を表明しなければなりません。そして、その謝罪の意思を表明する方法が示談金なのです。つまり、お詫びの気持ちを治療費用以外の示談金で表す必要があるのです。被害者との交渉を始める前に、まずは謝罪の気持ちを伝えることが大切です。
事故の規模が大きい場合について
加害者が引き起こしてしまった交通事故の規模が大きい場合には、法的な手続きが必要となることもあります。例えば、被害者が重度の障害を背負うことになる交通事故を起こしてしまった場合、その示談金は事故の規模に比例することになります。被害者の人生を失わせてしまったわけですから、被害者のその後の人生までをカバーする金額になります。そして、その金額を加害者が支払えないこともあります。そのような場合には、加害者と被害者との間で調整を行うことが必要です。決定した示談金の額に対して、支払い方法を決めることになります。一括で支払うことが難しい場合には月々の分割払いとすることもあるでしょう。そして、月々の分割払いの額を決めていくのです。加害者と被害者との間で調整がつかない場合には、お互いに弁護士を立てて交渉を進めることになります。この示談金をめぐる交渉においては言うまでもなく誠心誠意、心を込めた対応が求められます。
交通事故における示談金交渉の進め方について
小規模な交通事故の場合には、加害者が被害者に対して謝罪を行えば解決することもあります。しかし、大規模な被害をもたらしてしまった場合には、その被害についての賠償が必要です。被害者が入院してしまったとなれば、被害者の健康を奪ったことになります。このことについてはお金で解決することができません。入院加療が必要となった被害者にお金を支払ったからといって、被害者の入院生活が終わるわけではないからです。被害者が失った健康や日常生活の価値は、金銭で測る事は不可能なのです。そのことを加害者は認識しなければなりません。そして、全てが解決するまで、誠意ある対応をする必要があります。加害者として、自分の責任を回避させるようなことは避けなければなりません。自分の犯してしまった罪を反省することから、示談交渉は始まるのです。もし交渉の中で、お金の話を謝罪よりも先に持ち出してしまえば被害者の感情を逆なですることになりかねません。