人身事故においての示談の進め方
人身事故の被害者と直接示談交渉をする際の流れ
自動車を運転していて人身事故を引き起こしてしまった場合、示談と呼ばれる和解交渉を行います。話がこじれてしまったのであれば裁判所で判決を出してもらうことになりますが、時間や弁護士費用など加害者と被害者それぞれに負担が大きくなってしまいます。そのため、当事者同士が話し合いをして損害賠償額などを決定するのが示談なのですが、被害者が加害者と直接顔を合わせたくないというケースもありますので、その際は保険会社の担当者や弁護士が仲介に入ります。示談の進め方は様々ですが、一般的には誠意を見せることから始めます。人身事故でケガを負い病院へ入院しているのであればお見舞いへ行き、死亡しているのならば葬儀へ参列をします。ただし必ずしも被害者側がそれを望んでいるとは限らないので、相手を気づかう気持ちが大切です。次に被害者側から損害賠償の請求があった時に、金額が妥当かを確認するとともに、被害者側にも過失がなかったかを調べた上で示談交渉に臨みます。
示談交渉を始めるタイミングと保険会社
示談交渉を始めるタイミングというのは難しいものであり、被害者が未だ病院へ通って治療をしているとなれば最終的な治療費が判明しておらず、全ての交渉を済ませることが難しくなります。また人身事故直後ですと被害者の感情が不安定で、加害者と冷静に話し合うことが困難な場合もあります。そのため死亡事故でなく幸いにも負傷で留まっているのであれば、ケガが完治した時や後遺障害の等級が決まった時に交渉を始めるのが理想です。ただし損害賠償の請求権には時効が設けられていますので、いつまでも先延ばしにする訳にもいきません。交渉を始める場合は、加害者が被害者に対して直接連絡をするよりも保険会社の担当者が、ケガの治療状況を示談交渉の開始を打診すると話がスムーズに進みます。被害者側にも加入している保険会社の担当者がついていますので、専門家同士で金額の折衝をしてもらった方が当事者の負担が軽くなります。ただし損害賠償の金額に納得がいかなければ弁護士に相談することも必要です。
人身事故の示談書に記すべき内容と書き方
示談書の決められた書式というものはありませんが、記すべき内容はある程度決まっています。この書類は和解契約をする上で重要なものであり、あとから損害賠償額が変更されたり、一方的に示談が取り下げられることがないよう、必要事項の漏れがないように作成しなくてはなりません。まず人身事故における当事者を特定するために、加害者と被害者それぞれの氏名と住所、そして自動車のナンバーなどを記入します。次に事故の内容と状況を明示していくのですが、警察が実況見分をしていますし両者の意見が食い違わないように第三者的な視点で書かれることが一般的です。そして最も重要なのが示談内容であり、加害者が被害者に対して支払う損害賠償額が示されるのですが、治療費や慰謝料そして休業補償費や通院費などを詳細な金額を書き連ねることによって、後のトラブルを回避することが可能になります。最後にお金の支払方法を定め被害者側の銀行口座番号を示して、加害者と被害者が直筆で記名し捺印をして完成となります。