被害者になってしまった場合の交通事故手続きの流れ
事故発生直後に行うこと
交通事故に遭い、被害者となってしまった場合、状況によっては自分で手続きが行えない場合もありますが、今回は被害者本人が手続きを行える状況での流れをご説明します。交通事故が発生したら、まず加害者と加害者の乗った車両の確認を行います。名刺を持っている場合は貰っておくとその後の連絡がスムーズです。警察へはすぐに連絡をします。警察到着後、事故現場の写真を撮り事故の当事者や目撃者から供述調書が作成されます。この供述調書は過失割合などの判断材料として使われますので事故当時の状況を正確に伝えることが重要です。また出来れば早い段階で加入している任意保険の会社へ事故の通知を行い保険の手続きで必要になる書類を確認しておきましょう。被害者は怪我をしていたりパニックに陥ることもありますので、落ち着いて行動することが大切です。同乗者がいれば目撃者の連絡先や、写真を撮影して残しておいてもらい証拠として残しておくと役に立ちます。
病院での治療と診断書発行の手続き
交通事故の被害者となった場合、怪我の程度に関わらず病院で診察を受けるようにしましょう。むち打ちなどは後から症状が出る場合もありますので注意が必要です。診察を受けたら医師に診断書を出してもらいます。診断書には種類があり、警察に提出するための「人身事故警察届出用診断書」と「保険会社への毎月請求用診断書」と「後遺障害診断書」の3種類があります。人身事故警察届け出用診断書は警察に提出する診断書で、傷病名と治療に要する期間が書かれています。保険会社への毎月請求用診断書には気になる症状についても記載してもらうことが大切です。事故当初は最も大きな症状の部分ばかりを訴えがちですが、むち打ちなどの症状は後から出てくる場合があります。しかし、最初から訴えていないと事故と関連がなかったものと判断されてしまう為、出来るだけ気になる点は記載しておいてもらうようにしましょう。後遺障害診断書は後遺障害認定をしてもらうために大切な書類です。後遺障害認定は賠償金請求の際の目安となるので必要な場合は行政書士や弁護士にチェックしてもらい不足のないようにしておくと良いでしょう。
医療費の請求と損害賠償請求の手続き
病院で必要な診断書を発行してもらった後、加害者側との交渉が始まります。まず、病院の支払いに関しては加害者の加入している任意保険会社が窓口となり一括払いをしているケースが多くなっています。一括払いを利用するには加害者側の保険会社へ同意書を提出します。交通事故による怪我が完治し、後遺障害等級に該当しない場合は等級認定の申請は必要ありません。何らかの後遺症が残っている場合は症状固定となってから後遺障害等級認定請求を行います。後遺症がどの程度であるかの、等級認定を受けることでその等級に応じた補償を受けられるようにあります。後遺障害等級が認定されると加害者側と示談交渉を行います。損害賠償は3つの損害について請求することができます。1つ目は交通事故により出費を余儀なくされた損害で治療費や交通費や葬儀費になります。2つ目は事故によって得ることができなくなった利益の損失分です。3つ目は事故にあったことで精神的・肉体的に受けた苦痛に対して支払われる慰謝料です。これら3つを総合した損害賠償請求を行います。素人では分かりにくい点もあるため代理人を立てるのが一般的です。